XQ-58A ValkyrieはKratos Defense&Security Solutions社がアメリカ空軍のために開発した最新の空軍機である。
まず、XQ-58A Valkyrieは小型で安価な無人機である。全長8.8メートル、翼幅6.7メートル。量産モデルの値段は1機あたり200万~300万ドルだ。比較してみると、F-35は全長15.4メートル、翼幅11メートルで、値段は改良型にもよるが、8420万~1億800万ドルである。F-35の1機分の値段で30機以上のXQ-58Aができることになる。これは重要なファクターだ。アメリカは中国人民解放軍に比肩し凌駕するために、軍用機を急激に増やす方法を探している。XQ-58A Valkyrieはこの意味でかなり良いアイデアだろう。
次に、XQ-58A ValkyrieはGPS誘導型航空爆弾JDAMや誘導航空爆弾GBU-39などの兵器を搭載することができる。GBU-39はまさに傑作だ。この航空爆弾は投下地点から最大110キロメートルの射程を持ち、命中精度は誤差5メートル、重量130キログラムにして92キロの弾薬を積んでいる。そしておそらくXQ-58A ValkyrieはAIM-120のような空対空ミサイルを搭載することができる。このミサイルは重量152キログラムで、無人機に機外搭載することができる。
さらに、現在XQ-58A Valkyrieを航空機F-15やF-35と組み合わせて使用することが計画されている。有人飛行機1機と複数の無人機という組み合わせだ。これは大きな戦略的優位性につながる。ミサイル防衛システムで防護された施設を攻撃する際に高価な航空機と熟練のパイロットの損失を大きく減らすことができるのだ。無人機のコストは戦闘機用の弾薬と大して代わらない。ミサイルAIM-120は約40万ドルであり、XQ-58A Valkyrieはミサイル8基分、F-35のミサイルシステムの半分の値段なのだ。
総じて、XQ-58AValkyrieは中国が空軍強化をうまく進めていることに対する良い回答だ。この地域では空の覇権を巡る激しい技術競争が繰り広げられており、それが新兵器の登場に繋がっている。
2023年から2025年頃にはアメリカ空軍と海兵隊の装備にXQ-58A Valkyrieの量産モデルが(別のインデックスになるかもしれないが)登場すると考えられる。また、同盟国で同型の無人機の配備が始まることも十分に考えられる。