マットソン博士は、一時的な断食がヒトや動物の体に及ぼす影響に関する科学論文を体系的に見直した。その調査によると、断食には2種類あるという。1つ目の方法は1日6~8時間の食事制限、もう一つの方法は5日間の断食、その後の2日間は適切な食事を摂る(「5:2」プラン)というものだ。
動物やヒトを用いた多くの実験では、このような食事制限が細胞の健康を支えていることが示されている。これは、食物不足の時期は代謝を行うことで対応しているからだという。この場合、細胞はまず炭水化物として蓄えられたエネルギーを全て放出させ、次に代謝のスピードが遅い脂肪の燃焼に移る。このプロセスにより、血糖値の調整が改善され、ストレス耐性が高まり、炎症は抑制される。
また、断食は血圧、血中脂肪濃度、安静時の心拍数を低下させる。何百人もの過体重の女性を対象にした研究では、「5:2」プランを実行した女性は体重が減少しただけではなく、インスリンに対する感受性が改善し、内臓脂肪が減少したことが分かった。また、他の研究では、断食が知能に良い効果をもたらすことが明らかになっている。
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