ガリーナ・ヴォルチェクはモスクワ芸術座付属演劇大学を卒業後、1956年に学友のO.タバコフらと劇団「若手俳優スタジオ」(後のソヴレメンニク劇場)を結成。モスクワのソヴレメンニク劇場で芸術監督を1989年から務めたほか、数多くの舞台に立ってきた。また、ヴォルチェクが出演した作品にソ連映画の傑作『秋のマラソン』(G.ダネリヤ監督、1979年)がある。
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— РИА Новости (@rianru) December 27, 2019
ペスコフ大統領報道官によれば、プーチン大統領は長年親交のあったヴォルチェク芸術監督の訃報に触れ、故人の家族や友人に哀悼の意を表した。
また、演劇界の著名人からメッセージが伝えられている。その一部を以下の通り紹介する。
「ヴォルチェクとは長い付き合いだった。1950年代にモスクワ芸術座付属演劇大学でともに学んだ。彼女は役者、演出家、芸術監督としてロシア演劇の伝統を大事にしてきた。奇妙な流行からロシア演劇を守り、多くの功績を残した。いま私が感じる空虚感は彼女の舞台や映画を知る人なら誰でも感じるものだ。彼女の死はあまりに大きすぎる。私はこう言いたい。ありがとう、ガリーナ。冥福を祈る。そして静かに眠れ」(O.バシラシビリ、俳優)
「ヴォルチェクは長年、ソヴレメンニク劇場を高い水準で維持してきた……そして彼女がもう存在しないなんて信じられない。受け入れられない。想像もつかない。ザハロフ、ユルスキーに続き、偉大な役者が他界してしまった」(A.カリャーギン、ロシア演劇人同盟議長)
「彼女は芸術監督として、人として偉大な才能を持っていました……私たちは芸術監督をお母さんと呼んでいました。私たちはいま、親を失ったのも同然です」(ソヴレメンニク劇場、劇団員代表)
ヴォルチェクは気管支炎によりモスクワのボトキン病院に数日前から入院していた。26日に様態の急変が報じられ、その数時間後に他界した。
ヴォルチェクとのお別れ会はソヴレメンニク劇場で29日に11時から執り行われる。その後、ノヴォデヴィチ墓地に埋葬される。
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