アスベストの存在は2年前の2017年の時点で明らかになっていた。当時、東京五輪の同水泳場の改修工事に向けて石綿調査を行ったところ、屋根の耐火被覆材にアスベストの使用が判明したという。
この場所のアスベストは、飛散性レベルが最も高いレベル1。一部の自治体では、公共施設でレベル1のアスベストが見つかった場合、早急に除去や封じ込めを行う規則を設けているという。
東京都は当初、都の基準に則って対策を行ってこなかった。しかし25日、国内外から多くの観客が訪れることを考慮し、問題個所をシートで覆い、閉じ込めるなどの対応策を検討することに決めたという。
アスベストは安価で、耐火、断熱性、防音などにすぐれており、1960年代からビルの建設に使用されてきた。しかしアスベストは飛散しやすく、肺がんを起こす発がん性を有していることから、2006年日本は製造、輸入、使用などを法律で禁止した。