ブラックホールはやはり存在した
今年4月、原子時計で同期された8つの強力な電波望遠鏡のバーチャルネットワーク「イベント・ホライズン・テレスコープ」が、銀河M87の中心にあるブラックホールの「影」の写真を初めて撮影した。
ブラックホールは強力な重力場が光さえも飲み込んでしまうため、ブラックホールそのものを見ることはできない。しかし、その外側の層、つまりブラックホールに吸い込まれる物質がガスに変わり、そのガスが熱せられてできる炎の輪は見ることができる。炎の輪に囲まれた円形の黒い空間こそが、物質が消えてしまい、時間が止まり、物理のあらゆる法則が無効になる謎多きブラックホールである。
別の銀河からの客人
クリミアのロシア人アマチュア天文家のゲンナージー・ボリソフが今年8月、自作の望遠鏡を使って最初の恒星間彗星を発見した。その彗星は国際天文学連盟で21/Borisovと名付けられた。それまで最初の恒星間小惑星は2017年10月に私たちの銀河系を経由して飛翔した1/オウムアムアだった。
世界中の天文学者がボリソフ彗星の撮影に乗り出した。恒星間物質の組成を調べ、別の天体系の彗星の特性を知るために、地上の望遠鏡だけでなく、宇宙にある望遠鏡も使用した。NASAによると、彗星21/Borisovは12月半ばに太陽のそばを通過し、現在、太陽系の境界に向かって進んでいるという。
強力なガンの治療薬が完成
アメリカの研究者が開発した薬は、ガン細胞の成長に不可欠なアミノ酸であるグルタミンの生成を体内でブロックする。しかも、この薬は悪性腫瘍に働きかけ、免疫系の攻撃を受けやすくする。
新しいガン治療薬はすでにマウスの大腸癌、リンパ腫、メラノーマに対する実験で好成績を収めている。マウスの腫瘍の成長は小さくなり、中には長期的寛解が得られたものもあった。また、マウスにガン細胞を再び投与すると拒否反応が見られた。これは免疫記憶が形成されていることを示している。
人間に仕えるAI
ロシアのエンジニアが開発した思考の力で会話ができる装置「ニューロチャット」はすでに量産が始まっている。ロシアメディアが伝えた。
「ニューロチャット」は思考の力だけでコンピューター上で文章を打ち込むことができる。これにより、脳卒中、麻痺、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症を患う人々がほかの人々と会話できるようになる。
電極を備えたループ状の無線装置を患者の頭に装着する。患者はモニターのアルファベット表の中の文字に意識を集中させ、文字を入力する。この装置の端末はベッドや車椅子に設置することができる。
海王星の7番目の衛星「ヒッポカンプ」
海王星の最大の月であるトリトンの軌道内では、これまで6つの小さな衛星が知られていた。これらは1989年に探査機ボイジャー2号が撮影に成功したものだ。新しい衛星はハッブル宇宙望遠鏡と複雑なデータ分析の成果である。ヒッポカンプは実際にとても小さいことが分かっており、平均直径はわずか34キロメートルである。ボイジャーがこれを捕捉できなかったのも無理はない。これについてネーチャー誌に記事がある。