こうした中、子どもの虐待という痛ましい事件が後を絶たない。つい先日も生後わずか4ヶ月の長男を殴った千葉県の父親が逮捕された。警察の調べに対し、父親は、今回発覚しなければ虐待行為を繰り返していたと話したという。
厚生労働省は子どもへの体罰を禁止する法律が2020年4月に施行されるのを受け、体罰にあたる行為を示したガイドラインを発表した。その内容には賛否があるが、体罰と虐待など、現在の子どもの置かれた環境に社会的関心が高まっているといえる。
この間、株式会社エアトリが、「児童虐待」に関する調査を実施し発表した。調査は20代から70代の男女796人が対象となった。
調査は、「子どもに手を上げた(上げそうになった)ことがあるか」「子どものしつけにおいて体罰は必要か」などの項目で実施がされた。
調査結果では、子どもに手を上げたことがある人は49.8%と約半数にのぼった。子どものしつけにおいて体罰は必要だと思う人は「日常的に必要」「時に必要」を合わせて70.6%となった。
また、「児童虐待」をなくすために必要だと思うものは何かとの質問では、もっとも多かった回答は「親のための相談所の拡充」55.8%、「一時保護施設の拡充」55.9%などが過半数を超えるものとなった。
寄せられた意見としては、「お金や厳罰化だけじゃなく、社会全体がもっと関与できる状態に」「積極的に他人が子育てに関われるようにして欲しい」などの声が寄せられている。
体罰に関してはすでに先進を築いている国もある。スウェーデンでは、子どもへのあらゆる体罰と心理的虐待を禁止する親子法改正を行い、政府主導で啓発キャンペーンを強め、体罰を大幅に減らすことに成功している。
大切なのは法律と啓蒙キャンペーンを相乗的に推進すること。少子化と子どもの体罰といった問題に社会的関心が高まっているだけに、こうした議論がいっそう広がることを期待したい。
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