ヨーロッパ崩壊、ドル暴落、ロシアの君臨 サクソバンクが2020年の「ショッキング予測」を発表

© AP Photo / Alexander ZemlianichenkoПортреты кандидата в президенты США Дональда Трампа и президента России Владимира Путина в пабе Юнион Джек в Москве
Портреты кандидата в президенты США Дональда Трампа и президента России Владимира Путина в пабе Юнион Джек в Москве - Sputnik 日本
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デンマークのサクソバンクは毎年末、全世界にとってショッキングな予測を用意する。金融市場に深刻な打撃を与えうるが、起こる可能性が低く十分に評価されていない出来事の予測である。2020年まで残すところ1ヶ月となった今、同銀行のチーフエコノミストであるスティン・ヤコブセン氏らは、EUからさらにもう一ヶ国が離脱したらどうなるか、アメリカ大統領が女性になったらどうなるか、ドルが暴落し、世界にもうひとつの主要通貨が登場したらどうなるかを予測した。

女性大統領

2021年の主要な出来事のひとつになると約束されているのが11月に行われる米国大統領選挙だ。デンマークのサクソバンクの専門家はここにサプライズが起こる素地があるという。

マイケル・ブルームバーグ氏 - Sputnik 日本
マイケル・ブルームバーグ氏、米大統領選挙に出馬表明
専門家によると、共和党のトランプ氏は大統領の座を守れないのみならず、民主党の候補に2000万票の差を付けて追い抜かれるという。そして、その民主党の候補になるのは、元副大統領のジョー・バイデン氏ではなく、経済学の教授であるエリザベス・ウォーレン氏だという。成功すれば、彼女は4年前にヒラリー・クリントン氏ができなかったことを成し遂げることになる。つまり、アメリカ初の女性大統領になるのだ。

ウォーレン氏に味方するのは、彼女に明確なプログラムがあるということだ。昨年の議会の中間選挙で民主党に最も足りなかったものだ。中間選挙での民主党の主要な論拠はトランプへの嫌悪だったと、ヤコブセン氏は指摘する。ところが、医療無償化やアメリカ人の多くにとって手の届かない保険の廃止などを訴えるウォーレン氏は、多くのミレニアル世代(千年紀の変わり目に社会人になった人々)や主婦層に指示されている。この人たちはトランプ大統領支持者に、特にウォールストリートの銀行員に対抗する人たちである。

ドルに代わるアジア通貨

アジアでも波乱が起こるだろう。貿易戦争に疲れた中国が地域各国を集めて、「アジア借用権(Asian Draw Right もしくはADR)」と呼ばれる新しい準備通貨を作る。常に欧米の制裁下に置かれているイラン、ロシア、アジアの消費者への依存が増しているOPEC(石油輸出国機構)各国が迅速にこの通貨での決済に移行するだろう。

このように、外貨準備をこれまで信頼性の基準のような存在だった米国債で保有する国は大幅に減る。わずか数ヶ月でドルは金に対して30%弱くなるとサクソバンクは予言する。

石油とシェール

ヤコブセンらによると、来年は、OPECとロシアがアメリカのシェールオイル生産鈍化を受けてさらなる大幅減産を発表すれば、ロシアにとってラッキーな年となりうるという。その場合、ブレント価格は1バレル90米ドルまで回復し、Urals価格49米ドルをベースにしているロシアの政府予算は膨大な歳入を得ることになる。そうなればロシア石油会社「ロスネフチ」の株価は50%急上昇する可能性がある。

こうした状況になると、世界ではグリーン経済への長期的関心が高まり、ここでもロシアが得をすることになる。というのも、ロシアは、自動車産業で有害物の排出を減らすための触媒として使われるパラジウムの世界最大の供給国だからだ。ニッケル価格の高騰も、電気自動車用のバッテリーがコバルトからニッケルに移行した場合、ロシアに味方する。

このような状況からもう一つの予測を立てることができる。石油減産の場合、利益の出ないシェール企業の成長が鈍化し、アジアでの需要が活性化する。2020年は石油ガス産業が思いがけずリーダーとなり、クリーンエネルギー産業ではそれと並行して警鐘が鳴るだろう。

EUを離脱するのはどの国か?

トランプ大統領「私はブレグジットのファン」 - Sputnik 日本
トランプ大統領「私はブレグジットのファン」
2018年はヨーロッパの基本的価値観から外れることに対する罰を定めた欧州連合基本条約第7条に関する長い官僚的手続きが活発化した。ハンガリーの場合、ナショナリズムと反移民の機運が高まったこと、国ごとの難民受入枠を拒否したことが過失だと捉えられた。数多くの措置の中でも主要なものがハンガリーへの補助金の減額である。ハンガリーはこれまで、この補助金を使って財政状態を大幅に改善させてきた経緯がある。次回の公聴会が12月10日に開催され、この件に関する基本的決議が来年に採択されることが予測されるため、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相と数百万人の一般国民には、EU離脱のための有力な根拠が現れるうることになると、スティン・ヤコブセン氏は考える。


ヤコブセン氏の予測を鵜呑みにすべきではない、このことは本人も述べている。ヤコブセン氏は1年前には、Teslaが影響力と製品ラインナップの拡大を必要とするAppleの傘下に入ること、FRBのジェローム・パウエル議長が彼の政策に怒り狂ったトランプ大統領に罷免されること、野党のジェレミー・コーベン氏が首相に選出されることでイギリスのポンドが暴落すること、テレビ大手Netflixがあまりにも多額の債務を抱えて崩壊すること、一般的なGDP算出方法からの脱却が起こることを予測していた。さらにデンマークのヤコブセン氏らは、太陽で巨大なフレアが発生し、多くの電子機器が故障すること、それによる世界経済の損失額は2兆ドルを超える可能性があるとも、世界に警告している。これらは全て(少なくとも、今のところは)現実のものとはなっていない。唯一、現実になったのはドイツ経済の不況に関する予言だけである。

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