時間生物学者のティル・ロンネベルク氏によると、「社会的時差ぼけ」は、飛行機などで移動した後に起こる一般的な時差ぼけと似ている。学術誌Journal of Biological Rhythmsに掲載された研究データによると、冬は職場または学校に遅刻したり、欠勤、欠席するケースが多くなるという。
学者らはその理由について、冬の夜明けが遅いことと関係していると考えている。
ロシア科学アカデミー・ウラル支部のミハイル・ボリセンコフ氏は、概日リズム睡眠障害が健康に与える影響を研究した。
そして、勤務時間が日照時間と一致しないことが多い地域での生活は、慢性的な概日リズムの乱れを引き起こし、がんの発症リスクを高めるとの結論に達した。
スペインの住民も概日リズム障害に苦しんでいる。スペインは、地理的には英国に近いものの、中央ヨーロッパ時間を採用しているため、日の出から日没までの時間は他の欧州諸国よりも1時間短くなっている。そのため、スペイン人は仕事を休むことが多くなり、イライラ感が強まり、職場での事故や学校での成績不良が増加する。
学者らは、欠勤や遅刻は出勤時間を遅らせるのを許可することで対処できると考えている。
ロンネベルク氏は「そうすることで従業員はより良い成果を上げる。彼らは自分のことをより能率的に感じるため、仕事に喜びを感じる。そして、欠勤や病欠の数も減る」と指摘している。
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