アクスム王国の版図は、最盛期には現在のエチオピア、エリトリア、ジブチ、ソマリアおよびアラビア半島の一部にまで広がっていた。この王国は、ローマ帝国とインド、ペルシャ、中国などを含む東の国々との交易で重要な役割を果たした。
失われた都市「ベタ・サマティ」の発見
アクスム王国の中心部で発掘を主導する考古学者らの国際チームは、非常に興味深いものを発見した。王国の古代都市と紅海沿岸の間の地下3メートルの地点で、アクスム王国以前に存在した主要な交易地で宗教の中心地であった古代集落「ベタ・サマティ」が見つかったのだ。
Les vestiges d'une cité antique oubliée depuis 1300 ans refont surface en Ethiopie : la cité nommée Beta Samati aurait autrefois constitué un centre important du royaume d'Aksoum. Parmi les débris, les restes d'une basilique https://t.co/Yp4y3adC7R pic.twitter.com/xbre3qMC6u
— Xavier Mauduit (@XavierMauduit) December 12, 2019
アンティクティ誌によると、ベタ・サマティの遺物の年代がこのことを証明しているという。
アクサム王国以前の謎に満ちた文明
ベタ・サマティの出土品は放射性炭素年代測定の結果、紀元前771~645年までのものであることが明らかになった。このことは、発見された集落が、アクスム王国の全ての時代の間だけではなく、王国の建国以前にも存在していたことを意味している。
この発見により研究者らは、アクサム王国が古代遊牧民族の集落が崩壊した場所に誕生したのではなく、サハラ以南のアフリカで最も初期の国家を形成した謎に満ちた文明の直接の後継者であると結論付けた。
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