被験者は平均7.3年にわたって観察された。
お茶を飲む人は病気知らず?
この観察期間中、定期的にお茶を飲むグループは、たまにお茶を飲むグループと比べて、心血液疾患と脳卒中のリスクが20%、致死性の心疾患と脳卒中のリスクが22%、全死因死亡リスクが15%低いことが分かった。さらに、疾患発症を年齢に基づいて分析したところ、定期的にお茶を飲む50歳以上の被験者は、お茶をたまに飲む人より虚血性心疾患と脳卒中に罹るのが1.41年遅く、1.26年長生きすることが分かった。
お茶を摂取する期間の長さと習慣の重要性について、研究者らは1万4081人からなる被験者グループの健康状態を2回(平均して5.3年後と8.2年後に)分析した。それによると、長年お茶を飲む習慣を続けてきた人々は、その習慣がない人々と比べて心血管疾患と脳卒中に罹るリスクが39%、致死性の心疾患と脳卒中に罹るリスクは56%、全死因死亡リスクが29%低いことがわかった。
紅茶か緑茶か? それが問題だ
こうした調査が主に緑茶を飲用する中国で行われたことから、参加者の多く(49%)が専ら緑茶を飲み、紅茶愛好家はわずか8%だった。
一方で紅茶を飲んだ人々には健康への良い影響が認められなかった。
この研究論文の筆頭著者で、北京にある中国医学アカデミー所属のシンヤン・ワン氏はこう語っている。「定期的なお茶の摂取は、心血液疾患や全死因死亡リスクを低下させる。長期的に摂取することで、健康に良い効果をもたらすのは緑茶。」これは欧州心臓病学会のプレスリリースで引用された。
この研究では、お茶の有益な効果は、お茶に含まれるポリフェノールの量の多さに関連していることが示されている。このポリフェノールが、心血管疾患の発症因子である血圧と血中の脂質とリポタンパク質のレベルを低下させている。
この研究のリーダーを務めたドンフェン・グウ博士は「お茶を定期的に飲む人々には、お茶の有用な特性が最もよく現れる。ポリフェノールは体内に長時間保持されないため、心疾患にかからないようにするためには頻繁にお茶を摂取する必要がある」と述べている。
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