塩分摂取量の制限は高血圧治療に有効、しかし減量に効果なし 研究で明らかに

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米国の研究者らは、高血圧の人は塩分摂取を制限する必要があるという従来の医師の考えを裏付けたが、塩分摂取が減量につながるという考えは誤りであると発表した。この研究結果は、医学誌『Hypertension』に掲載されている。

塩を多く摂取すれば、体重は減る?

塩分の高い食事を摂れば喉が渇き、水分摂取量を増加させる。その結果として血液量が増加し、心臓から送り出される心拍数が増え、血圧が上がる。このため、高血圧の人は塩分摂取を制限した方がいいと伝統的に考えられ、過剰な塩分摂取は害を及ぼすと思われていた。その一方、最近では、塩の構成元素であるナトリウムは体重の減量に寄与するため、有害ではなく有用であると報告されている。

ところで、塩と一緒に語られる砂糖は脳に対して麻薬のように作用することを知っていますか?

米ボストンのベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンター所属の医学研究者らは、この矛盾したデータを実際に調査し、高血圧患者向けの栄養に関するガイドラインを作成した。

ナトリウム摂取の影響とは?

研究者らは、400人が被験者として参加した2001年の研究結果に基づいた調査を行った。その研究では、被験者らは典型的な米国式の食事、ナトリウム低、中、高濃度の健康的なダッシュダイエット(高血圧を予防し治療するための食事)を摂取する3つのグループに分けられていた。

この研究結果から、血圧上昇がみられる、あるいは高血圧の成人に対しナトリウム摂取量を減少させると、喉が渇きににくくなり、飲み物消費量の指標となる1日の尿の量が減少し、血圧を低下させることが明らかになった。しかしその一方、塩分の摂取は代謝エネルギー量を増大させず、すなわち脂肪燃焼と減量に寄与しないことを発見した。

過去の研究結果の分析により、高血圧の治療にナトリウム摂取量の制限が重要であるという従来の見解を再確認できた。その一方、ナトリウムが体重減少に有効との見解は誤りであることが分かった。

研究者らによると、高血圧の人は公的な公衆衛生機関のアドバイスに従えば、体重増加の恐れを抱くことなく塩分摂取量を減らすことができるという。

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