報道によると、前国王は、原告のボエル氏の主張への異議申し立てを取り下げたことで、事実上、自分がボエル氏の生物学的な父親であると認めた形となった。
しかしRTBFによれば、ベルギーの法律では、生物学上の父親と認知されても、これが即、法律上の父親の認知を意味するものではないため、ボエル氏には遺産相続権が与えられない。
アルベール2世の隠し子騒動
アルベール2世に隠し子がいる可能性があるとの報道が出たのは1999年。前国王の隠し子と主張していたデルフィーヌ・ボエル氏は、2013年にアルベール2世が生前退位した直後からDNA鑑定を求めていた。ボエル氏の母親シビル・デ・セリス・ロンシャン女男爵は、1966年から1984年までアルベール2世と愛人関係にあったと主張している。
認知が成立した場合、ボエル氏は法的にはアルベール2世の遺産の一部を相続する権利はあるが、王族の一員としては認められない。ベルギー王室によると、アルベール2世の財産は推定で1240万ユーロ(およそ14億8813万円)とされている。
マスコミは定期的にベルギー王室の推定財産額を報じており、銀行口座や資金は隠し口座に至るまで調査されている。それによると、王室の財産総額は2500万~10億ユーロ(およそ30億~1200億円)と推定されている。