ロシア科学アカデミー 原子炉衛星を含むロシアの衛星監視、リストの公開を省庁に提案

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ロシア科学アカデミーの宇宙評議会はロシアの省庁に対し、老朽化し、すでに稼働を終了したソ連の原子炉衛星を厳重に監視し、これらの衛星が地球に落下する際のリスクを予測するよう提案した。スプートニク通信社が同評議会による決議文書のコピーを入手し、報じた。

1970~1988年、ソ連は放射性崩壊から電力を取り出す発電機、放射線同位体熱電気転換器(宇宙用原子炉)を備えた衛星31基を打ち上げた。ソ連が開発した宇宙用原子炉は「ロマーシュカ」、「ブク」、「トパーズ」、「エニセイ」の4種類。

一方米国では超新星/加速探査機(SNAP)計画の下、宇宙用原子炉SNAP-10A、SNAP-2、SNAP-8が開発された。

原子炉衛星とはいわゆる空飛ぶ原子炉。当然、墜落した場合、大惨事を引き起こしかねない。原子炉衛星による事故で最もよく知られている例は、1978年1月にカナダで起きたコスモス954号の墜落。


メシェリャコフ事件

2019年、ロシア宇宙開発国営企業「ロスコスモス」の主要研究所である機械製造中央科学工学研究所のセルゲイ・メシェリャコフ所長(77)から、ソ連の老朽化した原子炉衛星が宇宙空間の他の衛星に危害を与えかねないという警告が発せられた。

メシェリャコフ氏によれば、衛星の原子炉からはカリウム、ナトリウムが放出される。それで生成された雲は高度約1000キロで他の衛星を危険にさらしかねない。

同年7月、メシェリャコフ氏の逮捕が明るみになった。審理で同氏に何が科されるのかは、情報が公開されていないため現在のところ明らかにされていない。


ロシアの衛星のリストは一般向けには未公開

さらにロシア科学アカデミーは、ロシアの衛星リストを世界中のインターネットユーザーに公開するよう、ロシア外務省、国防省、ロスコスモスへの提案を計画している。同アカデミーは文書で、衛星のリスト公開は「宇宙活動の安全確保」のため必要と主張している。

現在のところ、ロシアの衛星リストは一般向けに公開されていない。

米国の空軍宇宙軍団の部門であるspace-track.orgでは、ほぼすべての衛星のデータ(打ち上げ、事故、軌道の離脱など)が公開されている。このサイトには米軍の衛星に関するデーターだけは掲載されていないものの、その他の、宇宙に打ち上げられている4万5000個の物体に関するデータが公開されている。

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