研究では、これまでに特定された282の主要な回路の99%が確認されたほか、これまで知られていなかった145の回路が明らかとなった。
その構造の複雑さに関して、イカの脳は犬の脳に近いことがわかった。
大学のプレスリリースによると、論文の第一著者のウェン・スン・チャン博士(クイーンズランド脳研究所)は「タコやイカを含む現代の頭足類は、極めて複雑な脳を持っており、ニューロンの数では犬の脳に迫り、マウスやラットの脳を上回っている」とし、「例えば、頭足類の一部は、ラットの2億個を上回る5億個以上のニューロンを持っている」と指摘している。
これは、カムフラージュして身を隠すために瞬間的に体色を変えたり、さまざまなシグナルを使って互いにコミュニケーションをとったりしている頭足類の複雑な行動例を説明している。
学者らは、頭足類と脊椎動物の中枢神経系の類似性が明らかになったことについて、異なるグループの生物が類似した形質を独立して進化させる収斂進化仮説を確認しているとの見方を示している。