ブリヤート共和国では仏教が信仰されており、ロシアにいながらアジアが感じられる、非常にユニークな地域である。ブリヤート人はモンゴル系の民族だ。一説によれば日本人の起源はブリヤートにあるとも言われており、外見的には日本人と非常に似ている。イベントにはモスクワに住むブリヤート人も多く訪れ、筆者(日本人)は会場を歩いていて、ロシアというより日本に帰ってきたような錯覚を覚えた。
劇場ホワイエではブリヤートの芸術家の作品が多数展示されたほか、東洋医学の医師らによる健康チェックコーナーが人気を集めた。ブリヤートでは、東洋医学が伝統的に広く浸透している。医師を目指す人は、ロシアのスタンダードにのっとって西洋医学を中心とする医学部を卒業した後、さらに東洋医学の知識を習得する。経験を深めるため、中国などに海外留学する医師もいる。内容は、針治療やお灸、漢方、ツボ押しなど、日本でもおなじみのものだ。
共和国内には国立の東洋医学センターがあり、一般外来で通えるクリニックのほか、首都ウラン・ウデ市内とバイカル湖のほとりに一か所ずつ泊りこみで治療できる施設があり、雄大な自然を感じながら身体の調子を整えることができる。
ブリヤート共和国では、鉱業や航空機産業、林業など、豊富な資源を生かした産業が発達している。民族衣装に身を包んだブリヤート共和国のアレクセイ・ツィデノフ首長は、インタビューの中で次のように話した。
ツィデノフ首長「この催しを通して初めてブリヤートの文化や歴史、民族の創造性に触れた人が、ブリヤートにぜひ行ってみたいと言ってくれ、嬉しいです。日本人の皆さんには、特に観光、バイカル湖に来てほしいです。産業も豊かで、実は100か国以上で、ブリヤートで製造されたヘリが飛んでおり、2011年の福島の災害の時には日本からヘリの要請もありました。ブリヤートにはインフラもあり、人材もいます。日本人との共通点は、鏡を見たらわかります(笑)資源の採掘にとどまらず、日本とはどんな分野でも、あらゆる生産活動で協力したいと思います。」