トルコとフランスの電話会談 シリア情勢でNATOの介入を要請

© AP Photo / Turkish Presidency Press Serviceエルドアン大統領
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シリア北西部の状況悪化を受けてトルコのエルドアン大統領はフランスのマクロン大統領と電話会談を行い、NATOに対して「口先」だけでなく実質的な「行動」でもって連帯を証明するよう要請した。トルコ政府が発表した声明で明らかになった。

緊張緩和地帯のシリア北西部イドリブ県で政府軍が国内に展開するトルコ軍を標的に空爆したことに対し、エルドアン大統領はマクロン大統領との電話会談でシリア政府軍が「あるまじき行為をとったことで高い代償を支払った」として、報復攻撃についての理解を求めた。

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NATOは加盟国トルコに連帯を表明しているが、この「連帯」についてエルドアン大統領は口先だけでなく、具体的行動でもって連帯を明確に証明するよう要請した。

さらに会談の中でエルドアン大統領はシリア北西部に人道的危機が迫っていることから欧州を目指す難民はトルコの国境に集まっているとして、難民対応について定めた合意の履行と財政支援をフランス側に求めた。

シリア難民の対応についてトルコと欧州が2016年3月に定めた合意によれば、欧州は難民受け入れに伴う財政支援をトルコに行うほか、トルコと欧州で同数の難民を受け入れることが決まっている。

先にトルコ政府は国内に抱えるシリア難民の流出を食い止めない考えを示した。スレイマーン・ソイル内相はエルドアン大統領が難民流出を許可したことにより、2月21日時点で3万6776人の難民が欧州へ向かったことを明らかにした。トルコ政府の発表を受けて、近隣諸国は国境管理を厳しくする措置をとっている。


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また、トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相は訪問先のカタールで声明を発表し、ロシアはシリア政府軍を支持はしているものの、トルコ軍への攻撃を目標とはしていないとの考えを示した。

チャヴシュオール外相はカタールで行われた記者会見の中でシリア政府軍がイドリブ県で学校や病院、トルコ軍を空爆しているとして、アサド政権を批判した。ロシアはシリア政府軍を支持しているものの、チャヴシュオール外相によれば、「ロシア軍の矛先は我々には向いていない」としてロシアとの直接的な対立を避けたほか、シリア北東部でロシアと共同で進めるパトロール活動も継続する考えを示した。

チャヴシュオール外相によれば、28日にロシアの代表団がトルコを訪問し、衝突回避に向けた協議が行われた。ただし、この交渉では抜本的解決には至らなかったことから、ロシアとトルコの首脳会談が3月上旬にモスクワで開催されるとした。

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