男性が倒れるや否や、心配した数人の乗客がかけよってきた。その瞬間、男性の友人らがパニック状態で叫びだし、男性がコロナウイルスに感染していると吹聴した。すると乗客にもこのパニックが「感染」し、なんとか男性から離れようとみんなが蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。動画の終わりでは到着した駅のプラットフォームに必死の形相で走り出る市民の様子が映されている。
このビデオにはたくさんのコメントが寄せられた。その大半はこの男性の演じた「どっきり」行為を咎めている。
「他人の恐怖心の出どころを知っていたら、いとも簡単に人を操作できるということだ」という冷静な指摘も挙げられたが、大半の意見はこんなご時世にあまりにむごい内容だという非難に終始している。もし地下鉄の中で本当に気分が悪くなったとき、コロナウイルスにおびえ切った人たちは助けようと駆け寄ってこなくなるのではないかというのだ。
「どっきり」動画の撮影を組織し、床でもがく「感染者」を演じたタジキスタン出身のカロマト・ジャボロフ容疑者(25)は逮捕され、3月8日まで拘留所に留置されている。本件はフーリガン行為の刑事事件として立件された。