ニューヨークタイムズ紙によれば、米国疾病予防管理センター(CDC)、および伝染病研究を行う複数の大学が2月に研究会を開催し、米国における新型コロナウイルスの感染拡大ケースを議論した。
研究会ではウイルスの特性と感染拡大速度、そして症状の進行速度が検討された。およそ50チームの作業グループがこの検討結果を共有し、米国におけるウイルスの感染ケースを検証した。
研究チームの予測によれば、感染開始後、数か月から1年の間に米国では1億6千万人から2億1400万人が感染する可能性がある。そのうち、240万人から2100万人が入院を必要とする。米国全土の医療ベッドはおよそ92万5千台しかないことから医療崩壊が発生し、1割程度の重症患者しか治療を受けられない事態となる。一方、治療が行われない場合、新型コロナウイルスによる肺炎で20万人から170万人が死亡する可能性がある。
ニューヨークタイムズ紙によれば、この試算は米国政府の感染対策を踏まえたものではない。また、この試算は2月28日時点の情報をもとに算出されたものだが、フロリダ大学感染病統計研究所のアイラ・ロンジーニ所長によれば、「状況は変わっていない」。