「2020年の年明けからわずか2か月が経過した今、世界は再び大国らの関与する衝突の際に立たされてしまった。イラン、イラク、シリアのそれは正真正銘の軍事行動だった。一体どういうことなのだ? これは戦争寸前でバランスをとる」という古くさい政治である。これは危険なアバンチュール的な政治である。もしこうした政治の結果、戦争になるのであれば、こんな政治は金輪際要らない。」
ゴルバチョフ氏はさらに、危険な行為に走らず、立ち止まって考える重要性を指摘している。
「西側世界は悪いことは何もかもロシアのせいにし、ロシアは西側をなじる。米国は兵器制限条約を離脱。軍事航空機はますます他国の国境に近づいて飛び、船も危険を冒して接近し、民間機が誤ってミサイルに撃墜される例が数度続いている。今、世界が耳にしなければならない言葉は『熟考』だろう。『止まる』。カタストロフィーに近づくいかなる動作も止める。これこそ責任ある政治家が国民に提案せねばならないことである。」
ゴルバチョフ氏は今、世界がコロナウイルスのパンデミックという共通の脅威に直面している今、これは特に重要だと力説している。
「グローバルな世界がいかに脆いか、カオスへと堕ちていく脅威がいかに大きいか。我々はこれを再度認識した。我々は知恵、連帯、共同行動をもってこれに立ち向かわねばならない。」
ゴルバチョフ氏は、特に重い責任を担うのは「大国」であるとし、大国は国連安保理の他の常任理事国と今日の不穏な情勢を話し合い、核戦争を決して容認しないというテーゼを確認すべきだと指摘している。
「それでもなお、私は、危険を冒す前に責任感が先立ち、カオスに叡智が勝つことを期待してやまない。」
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