コロナ蔓延で大気汚染は低下 検疫で逆に多くの人命が救われる 専門家

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全世界が新型コロナウイルスのパンデミックに陥ったために交通の集中度が落ち、生産が一時停止している。この措置により大気への有害ガスの放出量が著しく減少している事実をベルギー、リエージュにあるヒューゴ観測研究所の所長を務めるフランソア・ジェメン氏が指摘している。フォーブス誌が引用して報じた。ジェメン氏はこの事態について、思いがけなく人類全体のために良い効果をもたらす可能性があると語っている。

ジェメン氏の指摘によれば、中国では大気汚染による疾病で毎年100万人を超す死者がでている。世界保健機関(WHO)の調べでは同じ死因による犠牲者は世界全体では年間700万人。

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新型コロナウイルスのパンデミック期間の死者数は最悪の事態を予測してもこの数値には及ばない。専門家の大半は新型コロナウイルスのパンデミックを、1957年に流行し、世界中で100万人を超す人命を奪ったウイルスと比較して、今回のコロナウイルスによる死者数は感染の封じ込め策が厳格に図られている以上、それよりもはるかに少なくなると予想している。

ジェメン氏の見解に同意しているのが米スタンフォード大学のマーシャル・バーク教授。バーク教授は中国の4つの都市で大気の状態と死亡率を調べた結果、「大気汚染が減ったおかげで、新型コロナウイルスによる死亡者数よりもほぼ20倍多い人命が救われた」と指摘している。

ジェメン氏は「こういった場合、なぜ我々は新型コロナウイルスを気候変動、大気汚染などの脅威より恐れることがあるのか」と問いかけている。

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