米国トラベル協会のロジャー・ドウ会長は、世界旅行用のオンライン予約分野での危機を予想している。同会長によれば、米国では旅行会社は4月末までに600万事業所が倒産するおそれがあり、その後、回復できるかは不明だという。このことは旅行に出かけたいと願う人たちに多くの困難をもたらすことになる。
英国のボーンマス大学の経済学者であるアダム・ブレイク教授は、人々は新型コロナウイルスのパンデミック後も旅行への情熱を失ってはいないが、しかし、これまで以上に慎重に行動し始めると考えている。ブレイク教授は、「人々は旅行が安全であるかを確認するだけでなく、実際にそのことの根拠を求めることを大事にするようになる」と強調した。
米国コーネル大学の教授で経営学専門のクリストファー・アンダーソン氏によれば、旅行者は 旅行用サイト「エアビーアンドビー」を通じて予約した住居より、ますますホテルを信頼するようになるが、それは彼らがホテルチェーンは清潔さや衛生基準への配慮をより重視していると思っているためだという。
アンダーソン教授は、旅行者の大部分は、海洋クルーズの旅への信頼を失ったが、それは、クルーズ船での新型コロナウイルス感染とその乗客たちが直面した困難を報道で目にしたためだと考えていいる。同教授は、船室のサイズを大きくし、船舶の単位面積あたりの乗客の密度を小さくすることで、クルーズ船を再構築することが適切であると考えている。船内の食事のシステムも変更する必要があり、準備された料理を各人が好きに選ぶバイキング方式やビュッフェ形式を変えることが求められる。