2009年1月から2010年8月までに、合わせて160万人以上がH1N1インフルエンザに感染した。死者数は1万8449人。新型コロナウイルスの感染拡大を止めることができるのは、効果的なワクチンしかない。
テドロス氏は新型コロナウイルスについて「減速するペースよりも急速に感染が拡大している。そのため制限措置はゆっくりと解除され、そのプロセスは統制されなければならない。1度にしてはならない」と警告した。
また同氏は、人の多い場所では新型コロナウイルスがはるかに容易に広がる可能性があることを強調し、早期発見、検査、隔離、ケア、接触者の追跡などの感染対策の重要性についても言及した。その他にも、医療施設で新型コロナウイルスの感染者が発生するリスクを最小限に抑えたり、例えば職場や学校など、人が訪れる場所で予防策を講じる必要がある。
先に、WHOロシア代表のメリタ・ヴイノヴィチ氏は、多くの国で新型コロナウイルスに対するワクチン開発が行われていることを明らかにした。一方、薬そのものの合成や厳正な臨床試験を含むプロセスが長いため、ワクチンができるまでには1年以上かかる。
4月10日、新型コロナウイルスの治療を受けて隔離が解除された韓国人91人が再検査を受けたところ、再び陽性と診断されたことが明らかとなった。韓国の専門家らは、91人の患者は再感染したのではなく、体内のウイルスが再活性化したとの考えを表している。一連のウイルス学者や疫学者は、新型コロナウイルスは人体の一部の細胞に潜伏した状態で残り、後に再活性化して呼吸器官を攻撃する可能性があるとの見方を示した。
さらに専門家らは、新型コロナウイルスは季節性疾患となる可能性があり、他の季節性コロナウイルスあるいは季節性インフルエンザウイルスと類推して人間の集団に常に居続けることになるかもしれず、その場合、「重症者の数が少し多くなる」可能性があるとしている。