ドミトリエフ会長は「OPECプラスの合意がなければ原油価格は1バレル10ドルを大きく下回っていただろう」と述べた。1バレル31ドルの米国のシェール石油生産は、米国の一部企業のみが採算可能であり、多くの企業にとってはこの価格は損失をもたらすという。
米国のトランプ大統領は積極的にOPECプラス合意締結に関わった。合意締結後、大統領は、数十万人の解雇を避けることができたとコメントした。
The big Oil Deal with OPEC Plus is done. This will save hundreds of thousands of energy jobs in the United States. I would like to thank and congratulate President Putin of Russia and King Salman of Saudi Arabia. I just spoke to them from the Oval Office. Great deal for all!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) April 12, 2020
このコメントに対しドミトリエフ会長は、大統領は「過小評価」しており、実際に救われた雇用は数十万人ではなく200万人に及ぶと考えている。
CNBCが伝えるところによると、ドミトリエフ会長は米国の石油ガス部門に直接従事するのは約1000万人としつつも、関連分野も計算に含めるべきであり、原料価格低下ははるかに多くの米国人に関わってくると指摘した。OPECプラス合意締結により、米国だけでなくロシアの石油ガス部門の雇用が守られると会長は強調した。
ドミトリエフ会長は、OPECプラスの新合意は、コロナウイルス感染拡大による需要減により原油価格の大きな上昇にはつながらないが、過度の下落から油価を守っていると説明した。
ロシアも同じく原油価格下落で大きな打撃を受けた。ロシアの輸出銘柄「ウラルス」は1バレル10ドルまで値を下げ、1999年以来となる最安値を更新した。ちなみにロシア連邦予算は同価格1バレル42.4ドル(約4562円)で構成されている。
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