「全てが現実、セックスまでも」 設定はソ連時代 出演者はリアルの生活を送るだけ 露リアリティ映画の第一弾が公開

© 写真 : DAU (2020)『ダウ。退化』
『ダウ。退化』 - Sputnik 日本
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ロシアの異色の映画プロジェクト「ダウ」の作品シリーズの第一弾、『ダウ。ナターシャ』と『ダウ。退化』が、15日から「ダウ」の公式サイトでレンタル視聴できる。このプロジェクトの撮影は700時間にも及び、出演者ら300人は20世紀半ばのソ連に近い環境で数年間暮らし、仕事をしていた。同プロジェクトは彼らのリアルに最大限迫り、検閲も行っていない。

このプロジェクトの製作者は、ロシア人監督イリヤ・クルジャノフスキー氏。この企画には15年の歳月を費やしている。

いろんな意味で、プロジェクト「ダウ」の作品は、実際のドキュメンタリー映画のようだ。全ての出演者は本名で参加し、映画の中でも実際の生活と同じ社会的・職業的階層に属している(例えば、ユダヤ教指導者のラビはラビ、研究者は研究者、料理人は料理人のまま)。撮影現場に、プロの俳優や女優はいない。全ての出演者らは疑似的なソ連に住み、仕事をしていた。この撮影のために、研究施設を模した大規模なセットが特別に用意され、この研究所に出演者300人以上が、20世紀半ば頃のソ連に近い環境で3年間、決められたとおりに暮らし、働いた。

このプロジェクトの制作者らは、映画の中で起きていることはすべて本物であり、カメラマンは実際に起きた出来事を記録しただけだと強調する。この企画の倫理については以前から議論されてきたが、出演者らや監督は、プロジェクトの参加者らは自主的に映画に出て、いつでも降板できたことを繰り返し指摘している。

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出演者らは、映画の中で起きていることは全て本当のことで、暴力やセックスまでもが本物だという。

プロジェクトの参加者の1人は「ええ、セックスは実際にあったんです。出演者はいつでもカメラを見て、合言葉の『ストップ』を口にすることができましたが、実際には起きませんでした」と語っている。

映画シリーズ『ダウ』は2019年初め、いくつかのヨーロッパの映画祭で発表され、重大なスキャンダルを引き起こした。批評家はこの映画の残酷さ、心理的暴力、出演者へのハラスメントを非難した。

ロシア文化省は、「ポルノを宣伝普及する記録」という理由で『ダウ。ナターシャ』のレンタル証明書の発行を拒否した。

「ダウ」プロジェクトの12作品の第一弾、『ダウ。ナターシャ』と『ダウ。退化』は「ダウ」の公式サイトで見ることができる。レンタル視聴料金は約3ドル(約320円)。レンタル期間は30日間で、再生開始後は48時間以内の視聴が可能。

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