研究チームは、この手法により化学療法の効果が高まり、将来的により正確な薬剤使用が可能になると見ている。
マクロファージは感染された細胞を死滅させる免疫細胞だが、腫瘍はそのフェノタイプ(表現型)を変え、自身の側に「誘惑」する。研究者はマクロファージを助けるはずであった微粒子を設計した。
周りの微粒子に応じてマクロファージは行動の方向性を選択する。病原体を吸収するか(M1表現型)、組織の成長を制御するか(M2表現型)。腫瘍はマクロファージを自身が必要とする表現型に切り替える因子を持ち、その結果、腫瘍の成長と転移拡大が促される。
研究チームは、マクロファージを有用な抗炎症M1表現型にするため、ポリマーを上から細胞に付着させるマクロファージ用微粒子バックパックを開発した。バックパックはインターフェロンガンマが溶解した親水性が強いポリビニルアルコールで構成されている。この物質は表現型を切り替え、独自の抗腫瘍特性を持つ。
アグレッシブな乳腺腫瘍を持つマウスで実験したところ、バックパック微粒子の注射により、腫瘍の成長速度および転移速度が低下することが分かった。
今週、神経内分泌腫瘍の合併症によりインドの名優イルファーン・カーンさんが亡くなった。
17日、日本の国立がんセンターなどは、がんと診断された人の10年後の生存率は57.2%だったと発表した。生存率が最も高いのは前立腺がん(97.8%)、次いで、乳がん(85.9%)、甲状腺がん(84.1%)となっている。
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