騒ぎが起こったのは中国と国境を接するインド北西部ラダック地方。なお、中国のヘリコプターによる領空侵犯はなかったという。
インディア・トゥデイの消息筋によると、中国による領空侵犯の試みに対してインドが戦闘機を発進させたのはかなり久しぶりのことだが、インディア・トゥデイは、インド北西部シッキム州で先週、インド軍と中国軍の間で衝突が発生していたと指摘している。
4月21日には、インドとベトナムの2か国が、新型コロナウイルスのパンデミック時に中国が係争地を奪取したと発表した。更新されたマップサービス「Map World」では、インド北東部アルナーチャル・プラデーシュ州の一部が中国に含まれた。
現在、世界で最も人口が多いインドと中国は、「マクマホンライン」と呼ばれる当事者間で取り決められた国境線(1914年にこの国境線を提案した英国側の代表ヘンリー・マクマホンにちなんで名付けられた)によって隔てられている。
インド及び(チベットの事実上の指導者)ダライ・ラマの政府は既存の国境を認めたが、中国は1959年に外交文書で伝えられこの国境を認めなかった。
その後、問題を解決するための試みが繰り返し行われたが、1993年と1996年の中印協定は失敗に終わった。係争地として国境地域の2つの地区が残っている。1つはカシミール北東部に、2つ目はアルナーチャル・プラデーシュ州北部にある。アルナーチャル・プラデーシュ州北部の係争地の面積は8万2000平方キロを超える。インドと中国は、個別の山岳地帯の国際的に認められた境界線について未だ合意に達していない。
南シナ海の島々は中国、台湾、マレーシア、フィリピン、ブルネイ、ベトナムの間で領土紛争の対象となっている。最も状況が緊迫しているのはスカボロー礁と、石油とガスが豊富であるとされる南沙(スプラトリー)諸島。世界の貿易の約40%が南シナ海を通過し、中国が輸入する石油及びガスの最大80%が南シナ海を経由して運ばれている。