ワクチン開発を目的に健康な被験者に意図的に感染させる手法はマラリア、チフス、インフルエンザなどに対しては広範に用いられている。だがこうした感染では被験者の容態が急変した場合に備え、必ず具体的な治療法が用意されている。
ところがコロナウイルスの場合、被験者の容態が急変してもこれに対応できる確固とした治療法はない。
ガーディアン紙によれば、学者らの間ではコロナウイルスのワクチン開発のためにこうした調査法が最も目的に適っているとする声が日増しに高まってきているが、ここにきてWHOもこうした手法への支持を表明した。
米ラトガース大学の人口レベル生命倫理学センターの所長を務めるニール・エイヤール教授は、この手法は一見途方もないように思われるものの、コロナウイルスのによる死亡リスクは20代では3000人に1人と腎臓のドナーの死亡リスクとほぼ変わりないと指摘している。コロナウイルスのワクチン研究が実施できれば、1人ではなく、数千人、ひょっとして数百万人の人命が助かる可能性がある。
WHOの文書では、こうした手法を生命倫理学的に裏付けるために守られるべき8つの基準が記されている。そうした中には前もってしかるべく情報を付与された上での合意、被験者の年齢を18歳から30歳とすることなどが列挙された。
これより前、コロナウイルスのパンデミック状況は2019年の12月か、それよりも前の10月に始まっていたと可能性が唱えられだした。
ジョンソン英首相は5月、最悪の場合、コロナウイルスのワクチンは永久に現れないかもしれないとの観測を口にしていたことが明らかになった。
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