スペイン保健省は13日、国内で実施した抗体確認検査の事前結果を明らかにした。
今回の検査で保健省は国内の複数地域に暮らす国民6万人から検体を回収して抗体の有無を確認した。国立感染症センターのマリーナ・ポリアン・センター長によれば、全検体のうち5パーセントから新型コロナウイルスの抗体が確認されたことから、スペインでは200万人以上が新型コロナウイルスに感染していると推測される。ただし、感染拡大が激しい地域と比較的穏やかな地域では抗体の保有率に5倍近くの開きがあるとして、集団免疫は形成されていないとの認識を示した。
なお、抗体は性別や年齢を問わず、等しく形成されているという。ただし、1歳以下の幼児は抗体の保有率が最も低く、1.1パーセントにとどまった(5歳以下の児童は2.2パーセント、9歳以下の児童は3パーセント)。
国内で抗体が最も多く確認された順にソリア県(14パーセント超)、クエンカ県(13.5パーセント)、セゴビア県(12.6パーセント)、アリバセテ県(11.6パーセント)、マドリード県(11.3パーセント)となっている。
また新型コロナウイルスに特徴的な感染症状のうち、3つから5つの症状が確認された人の抗体保有率は8パーセントにとどまったのに対し、5つ以上の症状が確認された人の抗体保有率は14.7パーセントまで上昇した。なお、嗅覚がなくなったと答えた人の抗体保有率は43パーセントに達していた。
今回の抗体確認検査には国内1426か所の医療機関と28の研究所が加わり、スペイン政府のペドロ・ドゥケ科学相は「世界一の精度を誇る検査」で重要なデータが得られたと成果を強調した。
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