鍾氏が武漢に到着したのは1月中旬で、ウイルスはヒトからヒトへ感染することを確認した。一方で現地当局はそれを認めず、状況は現地で「制御可能」と主張した。
同氏は「当時、現地当局は真実を話したがらなかった。当初彼らは沈黙しており、私は、それならばもっと多くの感染者がいる可能性があると言った」と語る。
鍾氏によると、武漢市の感染者数の公式発表が10日間変わらず、41人であったことから、感染規模を意図的に低く公表している可能性を疑ったという。当時すでに外国からコロナウイルス感染拡大の情報が入り始めていた。鍾氏が武漢当局に質問を続けたところ、当局は「渋々」本当の情報を提供。1月20日時点で武漢市の感染者数は198人に達しており、3人が死亡していた。
一方で同氏は、データ隠蔽は感染拡大初期に限られていたと語る。同氏によると中国は2003年のSARSの大流行から教訓を得たという。当時、北京はSARSについて数カ月報告を行わなかったが、今回、中国政府は地方に対して感染の正しいデータを提供するよう要求、従わない場合の罰則もちらつかせた。
「なので1月23日以降のデータはすべて正確だと思う」と同氏は結んだ。
4月30日、米国のマイク・ポンペオ国務長官は、中国政府がコロナウイルスの情報の一部を隠したと発言。最終的に北京はデータ隠蔽の責任を負うことになる、と語った。
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