この仮説を提唱したのは、リトラル国立大学の研究者、パブロ・ベルドメニコ氏。同氏は、さまざまな国における罹患率のを分析した。同氏よると、スーパー・スプレッダーは通常よりもはるかに多くの人に感染を広げてしまう。無症状の保菌者がスーパー・スプレッダーである可能性もあるという。
ベルドメニコ氏は、ここでは感染の事実そのものだけでなく、感染者が持っているウイルスの数(ウイルス量)も重要だと考えている。
ロシア科学アカデミー・フルムキン名称物理化学電気化学研究所の副所長(研究担当)オレグ・バティシェフ氏も、大量のウイルスを有した感染者は実際にスーパー・スプレッダーになってしまう可能性があると考えており、以下のように説明している―
「ウイルスは、一般的なパターンで考えられているようなヒト全体ではなく、ヒトの細胞に感染する。したがって体に侵入した1つのウイルスが1つの細胞に感染し、その後、この細胞が、たとえば100個の新しいウイルスを産生する。しかし100個のウイルスがヒトに侵入すると、この1人の人物は1万個の新しいウイルスを持つことになる。ここにはコロナウイルスの特性は一切ない。これは純粋な計算だ。したがって大量のウイルスを有した人は、実際にスーパー・スプレッダーになってしまう可能性がある。」
バティシェフ氏は、数え上げの数学的モデルに矛盾が生じるのはまさにスーパー・スプレッダーが原因だとの考えを示し、この数学的モデルでは1人が感染したケースが考慮されており、その人物には数百万個の細胞があってその細胞すべてが同時にウイルスに感染する可能性があることが忘れられているからだと指摘している。
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