ウェイクフォレスト大学のワタナベ・コウノスケ教授は、ニコチン自体には発がん性はないものの、転移形成を促進するとし、肺がん患者が禁煙するためにニコチンパッチやニコチンガムを使用してはいけないと指摘している。
小細胞肺がん患者およそ300人の病歴を調べた結果、たばこを吸い続けた患者または禁煙のためにニコチンパッチやニコチンガムを使用した患者の脳にははるかに頻繁に転移が発生したことがわかった。
この発見の後、マウスで実験が行われ、ニコチンが実際に患者の肺のがん細胞を培養して移植したマウスの脳における転移の発生を促進していることが明らかとなった。
また学者らはマウスを使った実験で、ナツシロギクの抽出物であるパルテノリドを用いてニコチンが脳に入るのを防ぐことができることも発見した。