6月6日、パットホールさんは仕事から帰宅中で、すでに遅い時間だった。道路が空いていたため、安心して自動操縦に切り替えた。ところが車道に突然イノシシが飛び出してきた。パットホールさんは反応する暇もなかったが、自動操縦が鮮やかな操作でイノシシを除け、衝突を避けた。
パットホールさんはツイッターにこのことを投稿。しかし動画では自動操縦がこの操作をしたと証明することはできず、コメント欄では懐疑的な反応が多数を占めた。
People: Autopilot will never be safe! @Tesla Autopilot: *avoids a 🐷 at night* @elonmusk pic.twitter.com/qyVz3gPesE
— Pranay Pathole (@PPathole) June 7, 2020
「録画にあるのはテスラの自動操縦の作業だという証拠はどこにあるのか?」とあるユーザーは問いかけている。
しかしコメント欄にテスラ共同創設者兼CEOのイーロン・マスク氏が登場し、自動操縦は事故を回避するために常に環境をスキャンしている、と説明した。
イーロン・マスク氏は「自動操縦の基本的な指令は事故を回避すること。人間には速く感じるものも、コンピュータにはかなりスピードが遅い。弱い照明での360度の視界、ソナー(音波探知機)、フロントレーダーにより車には超人的能力が与えられる。今後予定しているソフト更新で、このポテンシャルはもっと大きく開花する」と投稿した。
今なお残る、信頼性への疑問
テスラ車には勝利も転落もある。
2019年9月、米カリフォルニア州フリーモントで容疑者を追跡していたテスラ社の電気自動車パトカーが、電池切れで追跡を断念した。警察官はこれを悟り、通常のパトカーのエンジンを入れることにした。
2019年1月、自動運転モードで走行していたテスラ車が、ロシアのプロモボット社の広告ロボットをはねた。
また昨年4月に起きたテスラのクロスオーバー車「モデルX」がかかわる事故はさらに深刻で、死者が出た。「モデルX」の運転手がオートパイロットを作動してハンドルから手を放してから数分後、自動車は車線を逸脱し、分離帯に衝突した。自動車は炎上し、当時38歳だった運転手はその場で死亡した。