ロシアフィギュアスケート連盟のアレクサンドル・ゴルシコフ会長はこの任命について、「エフゲニー・プルシェンコ氏は代表チームのコーチとなったが、それは現在彼のグループでトレーニングを行っているトルソワ選手が、2020-2021年の新シーズンの代表チームに選出されたためだ。これはこの事実にもとづき自動的に生じる自然なプロセスで、今回、これが公式に文書化されただけのことだ」とコメントした。
アカデミー「エンジェル・オブ・プルシェンコ」は2017年にオープンしたばかりで、ここからはまだ五輪金メダリストや世界チャンピオンは生まれてはいないが、スポーツ界のこれへの注目度はトゥトベリーゼ・チーム同様、今シーズンのはじめから熱い。
メディアでは、トルソワ選手はなぜプルシェンコ氏のもとに移籍したのかをめぐて、喧々諤々の論争が繰り広げられてきた。理由の1つとしては、トゥトベリーゼ・チームにはあまりにも才能豊かな有名人選手たちが勢ぞろいしているため、代表の座をめぐる内部の競争がし烈を極め、そんな中でトルソワ選手への注目度が下がったためだとされている。
プルシェンコ氏は、ロシア代表チームのコーチ陣参加のニュースに次のようにコメントしている。「今の私の主要な任務は、結果を出すこと、サーシャ(トルソワ)を完全に再生させること、価値あるトリプルアクセルジャンプを含め、彼女に新しいジャンプを習得させること、そして、彼女のスケーティングの振り付けを改めることです」。
代表チームのコーチとなったプルシェンコ氏は、ロシア人選手、最強のライバル、トゥトベリーゼ氏との競争だけではなく、今や、あの紀平梨花選手も師事することになったブライアン・オーサー氏とも五輪で対決することとなる。
五輪金メダリストのプルシェンコ氏がフィギュアのロシア代表チームへ新コーチとして就任することで、国際大会でのロシアの立場はさらに高まる。もちろんそれは、プルシェンコ氏とトゥトベリーゼ氏が、彼らの教え子の実績や移籍の問題をはっきりさせようとして、再び互いにぶつかり合うことがない場合だが。紀平梨花選手とロシア女子勢、羽生結弦選手と米国のネイサン・チェン選手、ジュニアのカミラ・ワリエワ選手とアリサ・リュウ選手らと、氷上のライバル対決はどういう結果になるか、全く予想がつかない。つまりは、新しいシーズンも驚きの話題を盛りだくさんに提供してくれること間違いない。