同大統領令には、容疑者を取り押さえる際に首を圧迫する行為の禁止などが盛り込まれている。なお警官の生命に脅威が生じた場合は例外となる。
また米国では、拘束の際に職権乱用した警官のデータベースも構築される。
警官の訓練にも変更が生じ、今後は争いの平和的解決に向けた準備に重点が置かれる。さらに警察はソーシャルワーカーとの相互協力も強化する。
トランプ大統領は記者会見で「われわれの偉大で才能ある警官への信頼を損なわずに改革を実行する」と述べた。
またトランプ氏は、警官によって殺害された人々の家族に哀悼の意を表した。
トランプ大統領は、米国で5月末から続く警察の横暴と人種差別に対する大規模な抗議デモを背景に大統領令に署名した。米国では黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官によって殺害された後、全土で抗議デモが始まった。
全米で抗議デモ ミネアポリスの黒人男性死亡事件
米ミネソタ州ミネアポリスで5月25日、アフリカ系米国人のジョージ・フロイドさんが偽造紙幣を使用した疑いで拘束された。手錠をかけられたフロイドさんが、白人警察官らによって道路に押さえつけられる様子をとらえた動画がインターネットに投稿されて以来、ミネソタ州をはじめとする米国のいくつかの州で大規模な抗議活動と暴動が始まった。
現場に駆けつけた警察官の1人はフロイドさんの首を膝で押さえつけ、息ができないというフロイドさんの懇願を無視。フロイドさんは運ばれた市内の病院でまもなく死亡した。
フロイドさんの拘束に関わった4人の警官全員が逮捕された。フロイドさんの首を膝で圧迫した警官は第2級過失致死罪で起訴され、残りの3人は過失殺人の教唆・ほう助で起訴された。
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