BP統計報告によると、2019年は水力を除く太陽光や風力、その他のクリーンエネルギーの発電量が13%増加し、2.8ペタワット時となった。原子力発電量はわずか3.5%増で、2.796ペタワット時だった。また世界の発電量に占める再生可能エネルギーと原子力エネルギーの割合は約10.4%。
BPの専門家は、全体的に世界のエネルギー消費はよりクリーンなエネルギー源にシフトする傾向にあると指摘する。2019年の世界のエネルギー消費は1.3%増加し、増加の大部分(41%)は再生可能エネルギーが供給した。次に消費増加に大きく寄与したエネルギー源は天然ガスだった。BP社によると、再生可能エネルギーと天然ガスはエネルギー消費の増加分全体の4分の3超を占めた。
世界のエネルギーバスケットに石炭が占める割合は2003年以来最も低い27%となった。温室効果ガス排出量の増加率は2018年の2.1%から0.5%へ低下した。
一方、肯定的な傾向にあるとはいえ、世界的なエネルギーの発展は警戒すべき兆候を示している。石炭による発電量は1.5ポイント低下して36.4%となった。これは1985年にBP社が世界のエネルギーについて統計を取り始めて以来の最小値。だが石炭はこれまで同様、最大の電力源。他の問題としては、温室効果ガス排出量の増加スピードを十分に抑えられていないことが上げられる。2019年には減速したものの、この2年間の温室効果ガス排出量の年平均増加率は過去10年間の平均値を上回っている。