同局職員によると、この廃バスは旅行者の危険な巡礼地となっており、映画ファンが廃バスを目指して遭難したり負傷する事故が相次いでいた。バスの撤去先については現時点では未定。一方で、当局はすでにバスを「安全な場所」に送ったとしており、最終決定を待つことになりそうだ。
An abandoned bus popularized by the book and movie “Into the Wild” was airlifted in the Alaska backcountry Thursday.@AKNationalGuard moved the bus as part of a training mission pic.twitter.com/aK6aVGYwfs
— Bloomberg QuickTake (@QuickTake) June 19, 2020
このバスはなぜ危険なのか。人々はなぜバスを目指すのか。
廃バスは映画に登場するだけではなく、冒険家クリス・マッケンドレスさんが実際に過ごし死亡した場所としても知られている。
I think for a lot of people, it wasn't about the bus. It was about a kid who had the strength of conviction to reject the expectation of a life devoted to buying and owning stuff, and who chose to instead live for experiences and personal relationships. #IntoTheWild pic.twitter.com/DRDWFbWIUw
— Daniel Rizzolo (@rizzdj) June 19, 2020
1992年、当時22歳のマッケンドレスさんはアラスカの未開発地域へ1人で旅立った。狩猟や採集で数カ月を1人で過ごす予定だった。山岳地帯に打ち捨てられたバスを見つけ、そこを住居とした。マッケンドレスさんは狩猟の技術もなく予備の食糧も少なかったことから、数カ月後にバスの中で餓死した。遺体はハンターによって偶然発見された。
The 1940s-era bus made famous by John Krakauer’s book, “Into the Wild,” was removed from its longtime home along the Stampede Trail today. The Denali Borough had requested it be taken out after various rescues/recoveries of hikers trying to make it to the site.
— Beth Verge (@ktuubeth) June 19, 2020
Wow! DNR photos. pic.twitter.com/gP5cQFDXva
映画が公開されると、バスは聖地となり、マッケンドレスさんの旅をたどろうとする人々が相次いだ。しかし準備が足りない旅行者にとってはこのルートは非常に危険だ。バスは荒野にあり、周りには急な流れの川がある。
映画公開の2007年以来、巡礼者の捜索救助活動は15回以上行われている。直近では2020年4月、航空救助隊が意識を失ったブラジル男性を発見した。
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