中国版ベージュブックは3300を超える企業を対象に四半期ごとの調査を行い、それによると製造企業の利益、設備投資、小売売上高をはじめとする第2四半期の中国経済の主要指標は歴史的低水準にあり、1月-3月(第1四半期)よりわずかな改善が見られただけであった。
調査では、世界需要の低迷が依然として中国経済の足かせとなっていると指摘。専門家は「世界需要が確実に回復するまでは、現在見られるような暫定的な四半期ごとの成長があったとしても、2020年全体のGDPは縮小するだろう」との意見を示した。
経済協力開発機構(OECD)は6月初旬に予測を発表。2020年の中国GDPは新型コロナ感染の第2波がない場合で2.6%の減少、第2波が訪れた場合は3.7%の減少になると予測されている。
第1四半期の中国経済は新型コロナ感染拡大の影響を受け6.8%のマイナス成長となった。マイナス成長は1992年以来はじめて。中国政府はパンデミックとその経済影響を考慮し、2020年のGDP成長目標を設定していない。成長目標は例年、全人代開会時に李克強首相が年次報告の中で掲げるが、今年は設定しないとの表現にとどめるだけだった。