欧州3大オペラ劇場の1つとも言われるバルセロナのリセウ大劇場は6月23日、営業再開後初となるコンサートを開催した。歴史あるオペラ劇場で普段は多くの観光客が訪れるが、今回は無観客での開催に。人間がライブストリーミングで演奏を楽しむ中、会場の座席を埋め尽くしたのは合計2,292本の植物たちだ。
コンサートの発案者は、パンデミック(世界的大流行)時、庭や外の植物の成長が早くなったことからインスピレーションを得た。人と自然との関係について考えることが目的だという。
生い茂る「観客」に見守られる中、弦楽四重奏団がプッチーニの作品『菊(Crisantemi)』を演奏。観客たちは静かに演奏に耳を傾け、また演奏後は4人へ盛大な拍手を送るなど、マナーもしっかりわきまえている様子も伺えた。
コンサート後、観客としての使命を果たした植物たちは、新型コロナウイルス禍中に最前線で闘った医療従事者に贈られる。