研究結果は王立天文学会月報(Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)に掲載されている。
天文学者らは天の川から7500万光年の距離にあるみずがめ座の矮小銀河PHL 293Bを観測。過去、その矮小銀河において太陽の250万倍の明るさをもつ巨大な星が発見されていた。
直近8年の観測データから、この星はその一生の最終段階にあったことが確認されている。
昨年8月の矮小銀河PHL 293B観察時に星は天空から突然、何の跡形もなく姿を消してしまった。
この現象をきっかけに、研究者らはハッブル宇宙望遠鏡や複数の地上望遠鏡が記録した同銀河の過去の写真を詳細に研究、またチリのパラナル天文台の光学望遠鏡VLTを用いて消えた星があった点を撮影することとなった。
これらの新たに撮影した写真から、単に輝きを失ったり発光スペクトルが変わったのではなく、確かに星が消滅したことが確認された。
ESO広報はダブリン(アイルランド)大学トリニティカレッジの天体物理専門家、アンドリュー・アラン氏のコメントを伝えている:「これほど大きな星であれば、一生の終わりに超新星の鮮やかな爆発を起こす。そのため天体の消滅は我々にとって極めて珍しい現象となった。同天体が本当に直接ブラックホールになったのであれば、私たちは、巨星がこのような形で一生を終えるという、その最初の目撃者となった。」
関連記事