この研究で、重症の新型コロナウイルスを病んだ患者の血漿から採取された抗体はコロナウイルスのSタンパク質に結合し、マクロファージ細胞と作用して極めて重度の炎症を引き起こすことがわかった。この他にもこう抗体は血栓の生成を促し、血管の壁の働きを乱してしまう。こうした全ては感染が重症化する主な原因とされている。
研究者らは「多くの患者の容態がある時、突如急変することがあるが、それは患者らの適応(獲得)免疫のスイッチが入る瞬間であることがこのことから説明がつく」と書いている。
このことから、コロナウイルスから完治した患者の血漿輸血は危険性がないとは言い切れなくなった。
オランダの研究者らはR406結合を用いることによって適応免疫のこうした反応を回避することに成功したが、一方でこの方法が解明されたとしても、抗体を用いた治療は安全ではなく、細心の注意が要される以上、気を緩めてはならないと強調している。
科学者らは少なくともドナーの血清からこうした抗体を除去することを考えねばならないと進言している。
新型コロナウイルス
中国当局は12月末、 武漢市で原因不明の肺炎が発生したと発表した。 最初の患者たちは海鮮市場に出入りしていた。
専門家らは、 暫定的に新型コロナウイルスが疾患の原因と判断した。
中国に続き、イタリア、米国、スペインで、特に多く感染が広がっている。
世界保健機関(WHO)は3月11日、新型コロナウイルスの拡大はパンデミックとなったことを明らかにした。
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