チューリッヒのスイス連邦工科大学の研究者、アンア・ギュリヘル氏と同僚らは、金星の火山物の形成過程をモデル化した。研究者らは、2014年に終了した欧州宇宙機関の金星探査機ビーナス・エクスプレスの作業データを活用した。その後、研究者らは、1990年代はじめに米航空宇宙局(NASA)の金星探査機マゼランが撮影した赤外線写真を調べ、彼らのモデルがこれらの画像と合致するかどうかを確認した。
マゼランの画像を注視する中で、研究者らは少なくとも37の火山で活性化の兆候があることを確認した。
研究者の1人で米国メリーランド大学のローラン・モンテシー教授は、「私たちは、はじめて金星の表面の具体的な構造を明らかにし、それらが古代の物ではなく、今も非常に活性な火山であることを立証した。それらの一部は現在休止状態にあるが、しかし『死火山』ではない可能性がある。このことは、金星の地下は地質学的な視点から言えば、今でも非常に活性化していることを示している」とコメントした。
金星は地球とほとんど同じような条件で形成されたが、しかし、外見と構造の上からは金星は地球とは大きく異なっている。現在、金星には水分は実質的にはなく、表面の濃密な大気は二酸化炭素と硫酸、摂氏462度に達する高温からなっている。また、ほとんど平坦な地表は、比較的最近起こった火山噴火の痕跡で覆われている。