今回、60万年の宇宙旅行を経て火星に里帰りする玄武岩「SAU008」は硬貨サイズと極めて小さい。今回の探査にSAU008は技術上の大役を果たす。パーセヴェランスの船内で誤差を正す校正用の検出器として活躍するのだ。
火星では特殊レーザーが鉱物の成分を特定し、生命の痕跡を探す。このレーザーの校正のための物質は調査対象の物質と似ていなければならない。まさにこのために火星の石が選ばれた。この石がレーザーが最大限正確に測定できるよう助けてくれるのだ。
SAU008は1999年オマーンで発見され、ロンドンの自然史博物館に保管されていた。石の孔からは火星の大気圏の成分と同じガスが見つかったことから、学者らはこれが火星からやってきたことは間違いないと判断している。
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