ムナツァカニャン外相は取材の中で、イスラエルがアゼルバイジャンに輸出する兵器はアルメニアの民間組織や民間人に対して使用されており、「致命的な危険となっている」と発言した。
そのうえでムナツァカニャン外相はアゼルバイジャンへの兵器輸出をイスラエルとの二国間協議や多国間協議でも問題にしていく姿勢を示し、「アゼルバイジャンに対する人殺しのビジネスを停止すべきだ」と批判した。ムナツァカニャン外相の発言内容はアルメニア外務省の公式サイトにも掲載された。
7月12日午後、アルメニア軍とアゼルバイジャン軍は北部の軍事境界線で衝突した。
アゼルバイジャン側の情報によると、前線で指揮を執っていた司令官を含む12人がこれまで戦死している。これに対し、アルメニア側は6人の兵士が戦死したほか、兵士9人と民間人1人が負傷したとしている。
アルメニア国防省情報局のアルツルン・オワンニシャン報道官によると、アルメニア軍がこれまでに撃墜したアゼルバイジャン軍の無人機は10機に迫るという。中には高額なことで知られるイスラエル・エルビットステムズ製の無人機「ヘルメス900」も含まれている。
アゼルバイジャンとアルメニアは戦闘勃発の引き金を引いたのは相手国として、互いに批判を強めている。
アルメニアとアゼルバイジャンは1988年以降、当時はアゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国内だったナゴルノ・カラバフ自治州の主権を巡り紛争状態にある。1992年から1994年にかけての戦闘でアゼルバイジャンは同自治州の主権を失い、現在はアルメニアの占領下にある。1992年以降、両国は欧州安全保障協力機構 (OSCE) による仲裁のもと、和平交渉を進めている。