2021年、火星に酸素が現れる可能性

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植物の酸素生成を再現する装置MOXIE(Mars Oxygen In-Situ Resource Utilization Experiment)が開発者の期待に応えれば、2021年には火星に初のクリーンな酸素が誕生するかもしれない。スプートニク通信は、研究プロジェクト副責任者でマサチューセッツ工科大学教授のジェフリー・ホフマン元NASA宇宙飛行士に話を聞いた。

「MOXIE」は火星の大気から酸素を生成する、自動車バッテリーサイズの特殊装置。同装置は7月30日に打上げ予定の火星探査機「パーセヴェランス(Perseverance)に搭載される。順調にいけば同探査機は2月に火星に到着する。

火星に酸素が必要?

米国は火星開発を真剣に捉えており、トランプ現政権が推進する月探査計画「アルテミス」も火星開発の一段階に過ぎないとされている。米国は、2030年代には火星に人類を送る夢を実現する意向を明らかにしている。

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現在、火星では多数の衛星のほか米国探査車「キュリオシティ」が調査を行っており、来年には「パーセヴェランス」が加わる。パーセヴェランスはジェゼロ(Jezero)クレーター付近に着陸を予定しており、その周辺で火星環境の観察や土壌サンプル採取を行う。またヘリコプター「Ingenuity」を放ち、同ヘリ初の火星飛行を試みる。

探査機「パーセヴェランス」の研究ツールの1つがMOXIEであり、同装置は火星大気の主成分であるCO2から酸素を生成する。

ホフマン教授は「人類が火星に飛び立つ場合、そのまま置いていけばいい探査機とは異なり、作業が終われば帰還したくなるはずです。ということは、軌道上の宇宙船に戻り、その後地球に帰還するロケットが必要だということです」と加える。

専門家によると、人類の火星からの帰還が現実となり、重量級ロケットが火星の重力に耐えるには、30トン以上の純液体酸素が必要になるという。

人類の呼吸に必要な量の酸素ボンベを持ち込むのは大変なことではないが、火星表面に数十トンのロケット燃料を運ぶには課題は大きいとホフマン教授は説明した。

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