「MOXIE」は火星の大気から酸素を生成する、自動車バッテリーサイズの特殊装置。同装置は7月30日に打上げ予定の火星探査機「パーセヴェランス(Perseverance)に搭載される。順調にいけば同探査機は2月に火星に到着する。
火星に酸素が必要?
米国は火星開発を真剣に捉えており、トランプ現政権が推進する月探査計画「アルテミス」も火星開発の一段階に過ぎないとされている。米国は、2030年代には火星に人類を送る夢を実現する意向を明らかにしている。
ホフマン教授は「人類が火星に飛び立つ場合、そのまま置いていけばいい探査機とは異なり、作業が終われば帰還したくなるはずです。ということは、軌道上の宇宙船に戻り、その後地球に帰還するロケットが必要だということです」と加える。
専門家によると、人類の火星からの帰還が現実となり、重量級ロケットが火星の重力に耐えるには、30トン以上の純液体酸素が必要になるという。
人類の呼吸に必要な量の酸素ボンベを持ち込むのは大変なことではないが、火星表面に数十トンのロケット燃料を運ぶには課題は大きいとホフマン教授は説明した。