インカ帝国の生贄の儀式で使われた石箱が見つかる ペルー

© AP Photo / Karel Navarroラマ
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ペルーとボリビアの国境に位置するチチカカ湖の北東岸付近で500年前に使用された石箱が、米ペンシルベニア大学とベルギーのブリュッセル自由大学の考古学者らによって発見された。米誌サイエンス・ニュースが伝えている。

同誌によると、石箱の中から貝殻から作られたリャマ像と金箔で覆われた小さな円筒形の物体が見つかった。これらはインカ帝国の儀式で使用された生贄である可能性が高いとみられている。

​15〜16世紀、インカ帝国はアンデス山脈全域に広がっており、その中心的な場所の一つがチチカカ湖だった。この地域はインカの人々にとって天然資源が豊富な場所であるだけでなく、戦略的に重要で神聖な意味を持つ場所でもあった。インカの人々は帝国がこういった場所から始まったと考えていた。

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ペンシルベニア大学人類学部のホセ・M・カプリレス博士は、「インカの人々が儀式の際に何かを供えていたことは知っていました」とコメントしている。16〜17世紀の年代記から、儀式の際に水中に沈める生贄がいたことが分かっている。

今回発見された石箱は、そういった生贄の存在を証明している。箱の側面には小さな穴と切り込みがあり、おそらくこれにロープを通して固定し、ボートやいかだから水中に下ろすことができたとみられている。

考古学者らによると、この発見は学問にとって重要なものだという。研究者らは今回の発見から、インカ帝国と、ヨーロッパ人がこの地域に侵入する以前のチチカカ湖の住民の共同体とのつながりを確立しようと研究を進めている。

しかし、インカの人々における水中の世界は、まだ研究が行われていない分野であるため、ブリュッセル自由大学のクリストフ・デレール博士は、今回の発見は研究者らにとって「思いがけない大きな驚き」であると指摘している。

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