ユニパー社は「ノードストリーム2」建設に関連する欧州企業の1つ。
同社は、「米国の『ノードストリーム2』プロジェクトに対する制裁の強化により、ガスパイプラインの建設は停滞するか、または完全に終了しない可能性が高まっている」と強調する。
また、同社は、「『ノードストリーム2』プロジェクト崩壊のリスクは、これまで通り、ユニパー社にとって重大な個別リスクと考えられる。プロジェクトが最終的に完成しなかった場合、ユニパー社は『ノードストリーム2』に提供した債権を帳消しにしなければならず、予定していた利子収益が失われるおそれがある」と強調した。
5月末、ユニパー社は「ノードストリーム2」に7億ユーロ(約876億円)の資金を提供し、総額9億5000万ユーロ(約1188億円)を提供する予定だった。
制裁強化に関する法案
6月上旬、米上院では、天然ガスパイプライン「ノードストリーム2」に関わって制裁を強化する法案が提出された。新たな法案により、制裁は、直接パイプラインの建設作業を行う企業のみならず、保険や法的援助を行う企業、さらに港湾サービスにも範囲が広げられている。
ロシア天然ガスパイプライン建設、米国の制裁により停止
「ノードストリーム2」の建設作業は、2019年12月に米国が欧州の関連企業へ制裁を科したことから、現在、作業が停止している。これらの制裁は、関連企業代表の米国入国を禁じ、同国領内のあらゆる資産の凍結を規定している。
「ノードストリーム2」は、既存の「ノードストリーム」と並行し、バルト海の海底に施設される予定。新たなパイプラインが通される領海の国々(フィンランドとスウェーデン、ドイツ、デンマーク)は、施設建設を了承している。米国と一連の欧州各国はパイプライン建設に反対の意を表明している。それらの国々は、同パイプラインがロシア製天然ガス供給への欧州の依存を強めることになると主張している。
関連ニュース