ポンペオ国務長官は14日にギリシャのニコス・コジアス外相と会談を控えている。その会談を前に上院議員らはポンペオ国務長官に書簡を送り、トルコに対する新たな経済制裁導入を実施する必要性を指摘した。
トルコはギリシャの排他的経済水域(EEZ)に海軍の船舶を派遣し、地中海東部で海底調査を進めている。これにより隣国ギリシャとの緊張が高まっており、上院議員らはトランプ大統領を通してトルコ政府に働きかけ、海軍の船舶を同海域から撤退させる必要があるとしている。また、トルコが国際裁判所での調停を拒み、引き続き「攻撃的政策」を継続する場合、EUと共同で新たな制裁を用意し、トルコ経済を支える主要部門に打撃を加えるのが妥当と考えている。
先にトルコのエルドアン大統領は、ギリシャとエジプトが地中海における排他的経済水域(EEZ)の分割について、「そうした権限がないにもかかわらず」違法な合意を結んだとし、これまで停止していた海底資源調査活動の再開を宣言した。
加えてトルコは地中海東部で軍事演習を実施する計画についても明らかにした。これによりギリシャが主権を有するロドス島とカステロリゾ島の間に広がる公海にトルコ海軍の船、14隻が派遣された。
ギリシャのアーミーボイス通信によると、トルコ海軍が動員されたことを受けてギリシャ軍も動員を開始したという。特に大陸でトルコと国境を接するギリシャ東部のエヴロス市や地中海のカステロリゾ島近くでギリシャ軍は臨戦態勢を強化している。
トルコは地中海で海底資源の開発に力を入れており、ギリシャとの緊張拡大が国際社会の懸念を呼んでいる。特にギリシャ領のカステロリゾ島は本土から570キロの距離にある一方、トルコからわずか2キロの距離にあり、同島はさらに面積がわずか10キロ平方メートルと小さいことから、島の周辺海域をトルコは自国の排他的経済水域と主張している。
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