先にチハノフスカヤ氏はベラルーシ政府の権力移行を保障する調整機関の創設手続きを開始すると発表した。この機関には、権力の平和的移行と対話に関心のある労働組合や政党、連合などといったあらゆる団体の代表が加わるとしていた。
大統領選でチハノフスカヤ氏の代理人を務めた無認可政党「ベラルーシ・キリスト教民主主義」のオリガ・コワリコワ党首によれば、すでに数百人の著名人が調整協議会への参加を表明しているという。調整協議会の主催者らで検討した結果、現時点で35人がメンバーとして登録された。
調整協議会のメンバーには2015年にノーベル文学賞を受賞したスベトラーナ・アレクシエーヴィチ氏に始まり、人権団体「ベスナー」のアレスィ・ベリャツキー代表や野党の主要な政治家が名を連ねている。
調整協議会の初会合は近く開催される見通し。
先にベラルーシの中央選挙委員会は、大統領選挙の最終結果を公表した。有権者の80.1%の投票を得て、大統領の座にアレクサンドル・ルカシェンコ氏が再選した。ルカシェンコ氏の主たる対立候補であったスベトラーナ・チハノフスカヤ氏の得票率は10.12%だった。
選挙結果を受けてベラルーシの主要都市では大規模な抗議活動が行われた。ベラルーシ内務省によると、デモ参加者と治安部隊との衝突で約3千人が拘束され、数十人が負傷した。チハノフスカヤ氏はビデオメッセージを公開し、ベラルーシからの出国を余儀なくされ、近隣リトアニアに逃れたことを明らかにした。
EU(欧州連合)は、抗議者に対する抑圧、暴力、 不当な逮捕に対してベラルーシに措置を講じると警告した。 また米国もベラルーシ政府が武力で抗議活動を制圧していると批判した。