スプートニク: 第3相試験には何人の被験者が参加しましたか?
ログノフ副所長:「最終的な人数は調整の段階ですが、およそ3万人になります。今の段階で1つの案として2000人は臨床で免疫原性の基準を調べ、後の2万8000人に対しては疫学的有効性を評価する観察を行います。
ワクチンごとに QRコードがつけられ、アプリを通してすべての医療機関の接種が厳格に記録され、被験者に好ましくない症状が現れた場合、もれなくそれが記載されます。被験者も各々が自分の体調についてアプリで報告を行うことができます。
スプートニク: 臨床実験の各段階はどう異なるのでしょうか?
さらに付け加えて申し上げたいのが臨床実験に入るには、その前に必須の前臨床実験プログラムをクリアせねばらならないということです。 これは動物を対象に安全性と免疫原性を調べるもので、これなしに人間には投与できません。ただし、例えば アメリカ食品医療品局(FDA )などは、然るべき調査研究を経たプラットフォーム技術である場合は、前臨床試験には特別に短縮プロセスを許可しています。我々のプラットフォームは十分な研究を経たものではありますが、2種のサル目、ウサギ目、マウス、ラット、モルモット、ハムスターを使った総合的な前臨床試験をすべて通過し、成功させました。このケースでは我々はFDAの認める短縮方法を踏襲していません。
同じくワクチン開発を行う Johnson & Johnson(米国)、 Moderna(米)、 AstraZeneca(英国、スウェーデン)がFDA方式で進めたかどうかは、私は知りません。
スプートニク:なぜ第3相試験は一時的な承認を経てから行われるのでしょうか?
ログノフ副所長:「一時的な承認という考えと意味はリスク・グループの人にワクチン接種の可能性を与え、それによって感染による症状や死亡から彼らを守ることにあります。ですが民間に流通するには厳格なコントロールがあり、一時的な承認はいつ何時も一時停止されうるものです。
第3相試験の目的は大人数の被験者に対し、制御されたランダム化比較試験の枠内で大規模に安全性と有効性を調べることにあります。これは大きな統計データを得るためにどうしても必要であり、ワクチンを恒久的に承認する決定をとるために欠かせません。
世界初の新型コロナワクチン開発に成功したガマレヤ国立疫学微生物研究センターのログノフ副所長へのインタビュー第1弾は、こちらからお読みいただけます。
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