昨シーズンの活躍から国際スケート連盟(ISU)は、トゥトベリーゼコーチを「最優秀コーチ賞」に選出し、同コーチの教え子だった アリョーナ・コストルナヤ選手(16)に「最優秀新人賞」を授与した。
アレクサンドラ・トゥルソワ選手(16)とアリョーナ・コストルナヤ選手の移籍はスキャンダルとなったが、それは、事実上、選手たちは大切な五輪への希望を見いだせないまま、トゥトベリーゼコーチの元を去ったからだ。
通信社「スプートニク」は、「コーチと選手」の関係において、どのような対策を検討しておくべきか、スポーツの専門家らに意見を聞いた。
ロシアフィギュアスケート連盟では移籍に関する規定が明文化されているが、たとえば、現欧州チャンピオンのコストルナヤ選手の例が示したように、時に選手たちはこの規定を無視しようとすることがある。彼女は初合宿に参加し、プログラムが用意された後に、トゥトベリーゼコーチのグループを去った。契約は、おそらく、この状況を改善することが可能だろう。それは、プロスポーツといえども実質的に労働と同じだからだ。
アレクセイ・ウルマノフ氏は、コーチと選手は、共通の目的を設け、明確にプロセスの本質を理解することで、非公式ながらお互いに相互責務を負っており、そのため、明文化された彼らの契約上の責務は、まったく当たり前のプロセスだと考えている。
選手の年齢の問題が状況をより深刻化させている。15歳という未成年の代表メンバーらとどう契約を結ぶというのか。
ウルマノフ氏は、この行き詰まりからの解決策は、若い選手の家族に見出す必要があると考えている。「コーチは、時間と労力を傾けて育ててきた選手の移籍にまさにどう保険をかけるか、知る必要がある。もちろん、15歳のスケート選手は実際にはまだ子どもであって、そのため決定を下し、責任を負う必要があるのはおそらく彼らの両親だ。選手が両親と相談することなく、コーチの交代のような重大な行動をとることは稀だといえる。こうしたことは間違いなく家庭内で話し合われていることから、子どもたちのスポーツの運命に直接参加する両親が契約の調印時にどんな責務を負うことになるのかを考え、明文化しておく必要がある」。
米国ではスポンサーや他との契約は完全に法的手続きにそって行われる。そのため、コーチと選手の関係での調整に関しては、他国の何らかの経験をロシアで応用することは有益かもしれない。「教え子が他の指導者のもとへ経験とともに去っていった場合、その経験はこれまでのコーチのところで育まれたものだ。実際、新しいコーチのところでは、今後のシーズンに向け選手が積み上げてきたプログラムは変えられる。新しいコーチは、これまでのチームですでに仕上がった技術を利用し、新しい教え子に何かを変えさせることは稀といえる。そのため、コーチと選手の関係は、財政的なもの以上に、いっそう倫理的なものとなる。契約は、あらかじめ規定された規則と時間に従ってなんらかの調整を行うという点で、これらの関係を援助することができる」。
エテリ・トゥトベリーゼ氏自身は、これまで同様、契約ではなく、選手たちの才能に依拠していくようだ。同コーチが将来の五輪でメダルを期待しているのは、ロシア選手権で2度優勝し、ISUグランプリ(GP)ファイナルでは銀メダルを獲得しているアンナ・シェルバコワ選手(16)だけでなく、ジュニアのカミラ・ワリエワ選手(14)も同じだ。ワリエワ選手はまだ年少ではあるが、今シーズン、シニアスケートのテスト演技への出場権を得ている。そしてすでに今日、多くの専門家らは、同選手が非常に高い確率で五輪でメダルを獲得する可能性があると評価している。
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